2016年12月28日水曜日

ボランティア活動報告書5号

長いと思っていた2年の任期もいつの間にやら終盤に。11月からのラスト2ヶ月間は各種ワークショップの企画・実施、また任地での週2回の学校巡回にと、最後の最後で今だかつて無い忙しさでした。帰国の準備や挨拶もしないといけない中、なんとか全ての活動をやり切り、残すは任期中に書くボランティア報告書の最終5号を残すのみ。自分のこの2年間の活動の総まとめです。

2016年12月18日日曜日

Hiroshima Nagasaki Peace Exhibition

@日本語学習クラス

任期も残り一ヶ月を切りラストスパート中、8月6日に隊員向けに実施した「広島長崎原爆展」に引き続き、12月17日にヨルダンの日本語学習者を対象に再び同様の展示会を実施しました。

以前から現地の人を対象にしたものも行ないたいと思っていて、日本語教育ボランティアの協力もあり、ようやく実現することができました。その際に、2人の日本語学習者が企画段階から運営まで積極的に関わってくれ、当日の展示の案内やワークショップの通訳にと活躍してくれました。

また展示会の一週間前には、広島平和記念資料館が推進している「ウェブ会議システムによる被爆体験証言」を活用して、その2人にスカイプで直接、広島の被爆者の方の話を聞き、質問してもらう機会を持つこともでき、広島や長崎について知識や意識を深めてもらうことができました。

実際のところ、展示会の内容が日本文化紹介と絡めないで、広島長崎の原爆という部分に特化していたこともあった為か、当日の参加者はやや少なめでした。しかしながら、それ故に参加してくれた人達は、本当に興味があって来てくれている人ばかりで、熱心に展示を見たり、色々と質問をしてくれました。

そういった人達に広島や長崎についてより深く知ってもらい、平和や戦争について考える機会を持ってもらえたという点ではやったかいがありましたが、その反面、周辺諸国が戦争状態にあり日ごろからニュースなどを通して悲惨な現状を目にしているだろう人達に対して、この展示会をやるべきだったのだろうかという疑問、結局は日本人のエゴだったのではないかという疑念が少し残ったのが正直なところです。

以下、内容の詳細です。

2016年11月27日日曜日

環境教育×??ワークショップ


@マフラックリハビリテーションセンター

任期終盤になってもまだ任地での学校巡回がうまくいかない10月前半頃、任地での活動はひとまず横に置いといて、心機一転して任地外での活動に力を入れることにしました。そこで障害者支援の隊員やUNRWA学校配属の隊員に協力してもらい、ヨルダン各所で環境教育とコラボレーションしたワークショップを実施していくことになりました。

結果的に10月後半からから12月中盤までに7箇所で環境ワークショップを企画、実施することになり想定外の忙しさでしたが、皆のすばらしい働きでなんとかこなせ、現状残すところは来月のアカバでのワークショップのみ。まるで一年分の仕事をこの1~2ヶ月でやったような感じです。

正直、忙しすぎて詰め込みすぎたことを若干後悔しましたが、それでも他職種の隊員と協力してワークショップを実施したことで、いつもと対象者が違うことで難しい部分はありましたが、実施した学校や施設の先生や生徒にとっては環境教育は新しい経験であり、記憶に残るものになったのではないかと思います。また、新しい活動先の開拓に繋がったのは収穫でした。

環境教育という分野は何でもできる分、どうしたら良いか分からなくなることも多々ありますが、今回のように色々な職種の隊員とコラボできる自由度があるというのは、ある意味強みでもあるのかなと思います。もうちょっと早い段階でいろいろやっておくべきでした。今後の後輩隊員に期待です。

以下、実施内容です。

2016年11月19日土曜日

二次選考 for APS ~Skype 面接~

University for Peace (UPeace) に出願した8月から約2ヶ月たった10月後半、二次選考(Skype面接)実施の連絡が来ました。正直、TOEFLのスコアも悪く一次選考(書類選考)で落とされるだろうと諦めていたのでまさに青天の霹靂です。そして後日、Asian Peaccebuilders Scholarship (APS) 事務所からSkype面接日程の調整メールが来て、11月一週目に実施することが決定しました。

初めての英語での面接で且つSkypeを使ったオンライン面接、最近DMM英会話でSkypeレッスンを時々受けていたので少し慣れはありましたが、それでもどうしたら良いのか分からない。何をどうはなせば良いのか分からない状態でした。ひとまず、面接と言えば自分の提出した書類を元に質問されるのが常なので、再度志望動機書を確認。志望理由や過去の経歴など、聞かれそうなポイントをうまく話せる様に事前に練習して面接に挑みました。

そして面接当日、Skypeを立ち上げいつでも接続できる様に待機していたのですが、その他の候補生との面接もあり予定が押していたようで、結局約一時間待ってようやく面接となりました。面接官は、APSプログラムコーディネーター(PC)、UPeace 教授(日本人)、Ateneo de Manila University (AdMU) 教授の3名、所要時間は約30分。

かなり緊張していて何を話したかあまり記憶に残っていないのですが、主な流れとしては以下の様な感じだったかと思います。

1、PCからまず挨拶があり、他2名の面接官とも挨拶。
2、パソコン越しに面接官一人一人と質疑応答。(一人5〜10分程度)
 【質問内容】
  ・過去の経歴について
  ・その専攻学科を選んだ理由(Media, Peace and Conflict Studies)
  ・環境教育の活動をしているのになぜ平和学を専攻するのか?
  ・あなたにとって平和構築とは何か    など
3、最後にPCから大学について質問があるか聞かれる。
4、面接官一人一人と挨拶をして終了。

自分の中で言える様に練習していたことは比較的スムーズに言えましたが、当然のことながら面接の中で予想外な質問やトリッキーな質問もあり、結局しどろもどろで変な汗をかいて終わりました。

言われていることはある程度掴めたのですが、それに対して臨機応変に対応する力はやはりまだまだで、口頭でのコミュニケーション力不足を痛感した面接でした。なにはともあれ後は結果を待つのみ。結果発表は12月上旬です。

2016年10月30日日曜日

NICCOの難民支援 ~演劇発表~

@ザルカ商工会議所

休日の土曜日、自身の任地ザルカでシリア人やヨルダン人の支援を行なっているNGO「NICCO」が主催する演劇を見に行ってきました。NICCOはヨルダンでは主に戦争被害者のメンタルケアを目的とした心理社会的ワークショップを実施している団体です。

心理社会的ワークショップとは、描画(2次元)→粘土(3次元)→演劇(4次元)という自己表現プロセスを通して戦争によるトラウマやストレスに向き合って、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を予防するものです。そして演劇では、自身の経験や身の回りの問題などを自分自身で演じて表現すると共に、自分達が置かれている状況や気持ちを他の人々にも知ってもらう啓発も目的とされています。今講演は約半年練習した演劇を家族や親族へのお披露する場でしたが、他にもヨルダン各所で一般講演も行なうなど精力的に活動しています。

昨年の5月にNICCOのザルカオフィスにお邪魔させてもらい、演劇の練習など活動の様子を見学させてもらったのですが、実際の講演を見るのは今回が初めて。約2時間、彼らの身近にある問題や悩みをテーマにしたショートストーリーがシリアスに時にコミカルに演じられていました。しかしながら、全編アラビア語だった為いまいち内容がつかめず。それでも役者達の感情豊かな演技はとてもすばらしく、内容が分からないなりに楽しめました。人前で堂々と演じられる度胸はさすがアラブ人です。

ヨルダンに来て約1年10ヶ月、これまでヨルダン国内において様々なNGOの活動や支援の形を見聞きする機会があり、自身の今後の進路を考える上で参考になる部分も多くありました。後2ヶ月で任期が終わりますが、これまでの経験を元に今後自身がどのような形で「平和と戦争」というテーマに関わっていくか今一度考えたいと思います。

2016年10月15日土曜日

アズラック難民キャンプ

@アズラック難民キャンプ

シリアやイラク、パレスチナに囲まれたヨルダンには、長い歴史の中で戦火を逃れてきた難民の人々が数多く暮らしています。そして、近年の長引くシリア内戦によってヨルダンに逃れてくる難民は後を絶つことがありません。

ヨルダン北東部のマフラック地域にはシリア内戦が始まってすぐ建設されたザータリ難民キャンプがあります。現在、約8万人の人々がそこで暮らしていますが、人口はもう飽和状態。かつてテントだけの簡素なキャンプも今は全て丈夫なプレハブになり、公共施設ができ、商売も盛んに行われ、一つの町の様になっているそうです。

写真のアズラック難民キャンプはヨルダン東部のアズラック地域のまさに砂漠ど真ん中にあります。こちらは2014年に建設されたもので、現在約5万人が暮らしています。またその近くにはエミレーツ・ジョルダニアンキャンプというものもあり約7千人が暮らしています。

難民キャンプで暮らす人の数だけでも10万人を超えますが、キャンプでの窮屈な暮らしから逃れてヨルダンコミュニティの中で暮らす人々の方がはるかに多いのが現状です。最低限の生活も保証されない状況で、且つ就労が認められず、その中で生活の糧を得るのは簡単なことではありません。また少なからず現地の人々からの差別も存在します。

そんな中、現地や海外のNGOの支援やヨルダンに住む親族等の助けでなんとか暮らしているの状況です。自分自身、日常でシリア人と接する機会も時々ありますが、彼らの厳しい生活状況については話に聞いたことがあるだけで、リアルな現状をこの目で見て知っているわけではありません。

それでも、そういった人々と少しであっても直接的に関わることを通して、日本という遠く離れた地でニュース越しに見ていた時よりも問題が身近に感じられる様になった気がします。

■各地域の難民数など詳細データに関しては、Syria Regional Refugee Responseをご参照下さい。

2016年9月24日土曜日

4年に一度、ヨルダン議会選挙

@ザルカ

ヨルダンは国王を元首とする立憲君主制で、君主は世襲制となっており、内閣と共に行政権を執行します。現在の君主はアブダッラー国王(前君主であるフセイン国王の息子)です。また二院制の議会を有しています。

そして、今年はヨルダンで4年に一度の議会選挙(下院選)が9月20日(火)に実施されました。ちなみにヨルダンには23選挙区あります。通りや街頭などいたる所に選挙に向けて候補者の名前や顔写真が載った横断幕やポスターが掲げられるのは日本と似ていますが、日本のように街宣車が町中を走り回ることはなく、聞くところによると大きなホールに人を集めて候補者が演説を行なうそうです。

投票は指定の学校で実施されるらしく、選挙のある週は基本的に学校は休みになります。その為今年の9月は約一週間のイスラムの祝日イード・アル=アドハーとこの選挙に伴う休みで約半月が休みとなり活動が全くできませんでした。

行政機関の職員も選挙が近づくにつれて忙しくなり、自身の配属先である教育局の職員も選挙日には開票業務に追われていたようです。そして開票結果が出ると当選を祝って祝砲をあげる音があちらこちらから聞こえました。(祝方は流れ弾の危険性から以前国王が禁止にしたはずなのですが・・・)、また結果に不満がある有権者などがデモを起こし、それを警察が鎮圧するなど一時騒然となったようです。

結果的に、ムスリム同胞団(中東各地で政治参加を通して国家のイスラム化を推進することを目指す)系のイスラム行動戦線(IAF)が16議席(下院130議席中)を獲得したようです。

2016年9月18日日曜日

アズラック城めぐり

@アムラ城


今年のイスラムの祝日イード・アル=アドハー(犠牲祭)は9月の3週目のちょうど平日と被った為、その前後の週末金曜と土曜を合わせてなんと9連休。長期連休となった為、今年はアカバ、ワディラム、アズラックとヨルダン各地を旅行三昧でした。

ヨルダン最南端、紅海に接するアカバでシュノーケリングを楽しみ、その後広大な砂漠が広がるワディラムで一泊、そこから今度はザルカ東部のアズラックにある城や湿地帯を巡りました。アズラックは自身の任地であるザルカの隣にありながら今までほとんど行ったことがありませんでした。観光地であるショーマリ動物保護区やアズラック城を始とする砂漠に点在する城は、車をチャーターしないと行けない場所にあります。

その為、今回はバスをチャーターして協力隊やヨルダン人の友人総勢12名で行ってきました。行程は、アンマン>ザルカ>ショウマリ動物保護区>アズラック湿地帯>アズラック城>アムラ城>ハラナ城>アンマン。

残念ながらショウマリは閉まっていて入れず、時間の関係でアズラック城も行けず残念でしたが十分楽しめるツアーでした。特にアムラ城は世界遺産登録されている城で内壁の壁画の状態が非常によく、一見の価値ありです。そして何よりバスをチャーターして行くツアーは観光だけでなく道中での日本人とヨルダン人同士の交流が醍醐味でもあります。是非お試し下さい。

2016年8月26日金曜日

フェイナーンエコロッジ

@フェイナーン

まだまだ暑い夏が続きますが、ヨルダン人と日本人の友人約10名でバスをチャーターして、久々のヨルダン国内旅行に行ってきました。今回行ってきたのはフェイナーンエコロッジ

ヨルダン南部のダナ自然保護区にあるエコホテルで世界的にも有名らしく、エコと名が付くだけあって、基本的に電灯は無く夜間はロウソクの明かりで過ごし、食事は肉料理なし野菜のみのベジタリアンスタイルの環境配慮型ホテルです。ベドウィンの住む砂漠の谷間にポツンとあり、岩と砂漠の景色が広がりまさに非日常。夜は周囲に光が無いので静けさの中、ホテル屋上で天体観測も楽しめます。

また様々なネイチャーアクティビティーもあり、今回は夕日を眺めに行くサンセットハイキングと山間部を進むワディハイキングに参加しました。サンセットハイキングでは砂漠のはるか遠くパレスチナの大地に太陽が沈んでいくのを眺めることができ、翌日のワディハイキングでは、山間を小川に沿って歩いていき岩場を越えること2~3時間、小さなため池に辿りつきそこでUターン。そこ行程で山間の景色が変わっていき最終的にはまるでジュラシックパークのような景色に。

ヨルダンは国土が小さいので、週末にちょっと足を伸ばせば都会の喧騒からかけ離れた大自然を満喫しに行けるのがとても良いです。この一年半でヨルダンの主要な観光地はほとんど訪れてしまいました。残り任期半年、マイナーな観光地も開拓していきたいと思います。

2016年8月20日土曜日

一時選考 for APS ~応募書類~

University for Peace (UPeace) ヘの出願を決め、地道に応募書類の準備を進めてようやく提出が完了しました。後は一時専攻(書類選考)の結果を待つのみ。オンラインで書類の提出が可能なため、ネットさえあればどこからでも応募できてありがたい限りです。とは言え海外の大学院への出願は初めてであったこともあり、いろいろ手こずったり時間がかかったりしたので、参考までに提出した資料について書き残しておこうかと思います。

2016年8月7日日曜日

ヒロシマ・ナガサキ原爆展


@アンマン

8月6日と9日は広島と長崎の原爆の日です。それに合わせ8月6日(土)にJICA関係者を対象に広島出身の隊員と協力して原爆展を開催しました。過去に広島や長崎の慰霊祭に毎年足を運んでいたこともあり、任期中に是非開催したいと思っていたことです。

当初はヨルダン人やその他外国人など様々な人を対象に実施しようと考えていたのですが、諸事情により断念。日本人を対象に過去の原爆や戦争について改めて知ってもらう機会にしようと実施しました。当日人が来るか心配でしたが、約20名と思っていた以上に参加してくれ、展示や映像をじっくり見てくれました。

また今回の展示において、JICA広島広島平和記念資料館だけでなく、NPO「ANT-Hirhoshima」からも資料提供などのご協力を頂くことことができました。今回の展示が参加者にとって過去の戦争を顧みる機会、現在進行形の戦争に意識を向ける機会になったのであれば幸いです。



また今回の展示を通して、過去の原爆や戦争を顧みる機会、広島や長崎について知る良い機会になったというポジティブな意見がある一方、展示物や映像に原爆や戦争被害の実相を伝える為の生々しい映像も含まれており、不快な思いをしたり、あまり見たくないと感じた人もいました。平和教育や啓発において、事実であったとしても凄惨な写真や映像を見せるべきかどうかは意見が分かれるところだと思います。

事実としてあったことをしっかり伝えるべきだという意見。幼少期など精神的に発達段階にある子どもには悪影響を及ぼす可能性があり見せるべきではないという意見。戦争の悲惨な実相を表すショッキングな写真や映像が印象や記憶に強く残り、それが平和意識をもたらす場合。繰返される悲惨な写真や映像を伴う平和教育によって、逆に拒否反応を示してしまう場合など様々です。

見せる側の手法、見る側個人の性格や考え方によっても受け取り方や将来的な意識形成も変わってくること、また人間にとって視覚から得られる情報は非常に多く、そこから受ける影響も大きいことを考えると見せ方は非常に重要です。良かれと思って行なった平和教育が、結果的に平和構築に関わる人材育成の妨げになるという本末転倒な事態になる可能性も十分あります。

人に何かを伝えるという目的に、平和意識の育成という要素が付加された場合、ただ単純にあるものをありのまま見せるということがベストではない場合もあるという気づきは個人的に大きかったです。今後、同様の機会があった際にその点を十分考慮してやっていきたいと思います。



以下、展示内容の詳細です↓

【展示物】
ヒロシマ・ナガサキ原爆写真ポスター30枚
サダコと折り鶴ポスター25枚(A3)
絵本「折鶴の旅」(英語・アラビア語)*
被爆体験談
その他パンフレット

【DVD上映・中継】 
PV「ヒロシマから未来へ、広島平和記念資料館」(10:00~10:30) 
中継リポート「8月6日の広島から」(10:30~11:00)
ドキュメンタリー映画「White light Black rain」*(11:00~12:30)
映像資料「ヒロシマ・母たちの祈り」(12:30~13:00)
以降、再上映

【折鶴作成コーナー】 
作成された折鶴を広島へ送付

【配布物】
ハンドブック「広島の原爆被害を学ぶ~被害の実相と核兵器の現状~」
折り鶴の折り方(英語・アラビア語)

*NPO「ANT-Hirhoshima」より寄贈

2016年7月17日日曜日

ボランティア活動報告書4号

ヨルダン生活も約一年半経過し、残り任期も半年に差し掛かりました。しかしながら、現在学校が夏休みということもあり次学期が始まるのは8月後半。実質の活動期間はおそらく9~11月の3ヶ月間となりそうです。そういったわけで次学期がラストチャンスになるので、今のところいまいちな活動状況をうまく軌道に乗せなければなりません。なにはともあれ、任期中に提出するボランティア活動報告書の4号の提出時期なので書いてみました。

2016年7月5日火曜日

ラマダンチャリティー活動

@アンマン市内公園

ラマダン終盤にヨルダンの友人の誘いで孤児の為のチャリティーボランティアに参加してきました。ラマダンはムスリムにとって神聖な月であり、断食を通して貧しく満足に食べられない人々の気持ちを理解するという姿勢も含まれていることから慈善活動も積極的に行なわれます。

午後7時過ぎ、子ども達に提供する大量の食事や水を買い込んだ友人と待ち合わせ、子ども達がいるアンマンの某公園へ。その公園はモスクに併設されたもので、到着したことには約50人の子ども達がボランティアスタッフと一緒に遊んでいるところでした。聞くところによると、ボランティア団体がチャリティーを募って、公園に集った孤児たちにイフタール(日没後、断食明けの食事)の提供を行なっているとのこと。

持ってきた50人分の食事を子ども達はボランティアスタッフに配って、日没後に一斉にイフタール。日中は皆断食をしている為、イフタール中は黙々と飲食します。今回、友人が買ってきたのはマンディーというご飯の上に鶏肉がのったイエメンの伝統料理。そして食事が終わるとボランティアスタッフが前に立ち、子ども達がその後ろに一列に並んでお祈りを行なっていました。その後、ちらかった食事を片付け、再び遊びの時間。子ども達が一箇所に集って歌を歌うなど楽しい時間を過ごした後、9時過ぎに帰宅していきました。

この様なチャリティーに参加する機会も、その国や地域に長く住み現地で友人ができたからそこ。旅行客としてでは経験できないことを経験できるのは本当に貴重です。残り任期半年、交友関係を通してまだ知らないヨルダンの一面を見ていきたいと思います。

2016年7月3日日曜日

アカバでダイビング

@アカバ湾

6月のラマダン後半。ヨルダンの中で唯一紅海に接するアカバでダイビング&シュノーケリングをしてきました。日本出国前にダイビングの聖地紅海でダイビングをしようとアドバンス・オープンウォーターライセンス(AOW)まで取得して来ていたのですが、なんだかんだ1年半経ってしまっていました。

アカバはヨルダン最南端の都市で観光開発が進み外国人観光客がとても多く、高級ホテルが建ち並び、道路沿い植えられた椰子の木や青くきれいな紅海とあいまって、国内の他地域とは全く違う雰囲気です。ちなみに、この地域のみお酒に税金がかからないため安く購入することができます。

マリンスポーツも充実していて、ダイビングセンターも数多くあります。そして今回ダイビングでお世話になったのが「Red Sea Dive Center」。協力隊員御用達のセンターでスタッフも隊員のことを良く知っているのでなにかと安心です。今回は3泊4日の日程でダイビング2本とシュノーケリングをしました。アカバ湾は狭いエリアですが、それでも様々なダイビングスポットがあります。

初日は、巨大な沈没船があるエリアで1回目のダイブ、さんご礁エリアで2回目のダイブをしました。ラマダン中ということもありダイビング客もほとんどおらず、紅海の青く透き通った海中をゆったりと散策。巨大な沈没船は圧巻で、さんご礁や色とりどりの魚やうつぼやなまこ、ウミウシなど様々な海中生物もみることができました。

2日目は他のエリアでシュノーケリングをでしたのですが、そこは戦車が水深の浅いところに沈んでいたので海面からでも十分見え、また奇跡的にウミガメに遭遇しかなり至近距離で見ることができました。久々のダイビングも良かったのですが、アカバ湾はシュノーケリングでも十分楽しめるのでお勧めです。



しかしながらアカバの標高は海抜0m、首都アンマンの標高は約1000mとかなり標高差があるので、ダイビングによって体内に溶け込んだ窒素が急激な気圧の変化で気泡になり障害を引き起こす「減圧症」には十分注意しなければいけません。ダイビング後に高所へ移動(飛行機など)する場合に安全のため最後のダイビング終了から24時間は待機する必要があります。

協力隊の場合、アカバからアンマンに戻る前に通常24時間、ヨルダンで初めてのダイビングでは48時間待機が義務付けられています。過去にヨルダンで減圧症が発生した事例もあり、場合によっては命に関わる障害なので十分注意が必要です。ダイビングは海中を浮遊する非日常的で面白いスポーツである反面、危険をはらむものなので十分安全管理をした上で楽しみたいです。

2016年6月15日水曜日

ラマダン開始

@ダウンタウン(アンマン)

今年もイスラムの神聖月ラマダンが始まりました。イスラム暦(太陰暦)に則って始まりと終わりが決まる為、毎年開始日と終了日が変動します。今年は6月6日から7月5日(月の満ち欠けにより変動)です。昨年が6月18日からだったので12日早まる形になります。

ラマダン期間中は、断食を行いイスラム教徒は基本的に日中に飲食をしないので、異教徒もそれに配慮して外での飲食は控えなければなりません。自身も昨年と同様に断食をできる範囲でしています。家を出る前に水だけ飲んだり、休みの日は行なわなかったりですが。しかしながら、昨年断食に挑戦した経験や今年は夏の暑さがややましである為、比較的大丈夫です。

またラマダン中、街中はレストランやその他お店もほとんど営業をしておらず静まり返りますが、夕方から日没後にかけて賑やかになります。政府機関は営業をしていますが、時間は短縮されます。もちろん自身の配属先である教育局も時間短縮で通常は8時から15時ですが、ラマダン中は10時から15時になります。

学校もちょうどテスト期間に入り、その後夏休みに入るので自身の活動は全く無いですが、一応配属先が教育局なので日々通っています。いっそのこと休みにして欲しいのが本音ですが。まあ何はともあれヨルダンでの任期中に体験する最後のラマダンなので、満喫しておこうと思います。

2016年6月4日土曜日

アラブ反乱100周年イベント

@キングフセインパーク

6月3日(金)、アンマンにあるキングフセインパークにてアラブ反乱100周年を祝う祭典が開催されました。

アラブ反乱とは、映画「アラビアのロレンス」でも描かれている、第一次大戦中におけるオスマン帝国からのアラブ人の独立と統一国家の樹立を目的に、ヨルダンの王家であるハーシム家の先祖フセイン・イブン・アリー(1ヨルダンディナール札の肖像)主導で起こされた戦いです。

イベントは朝10時から夜9時まで行なわれ、会場であるフセインパーク前の大通りは通行止めで歩行者天国。軍事パレードや戦車の展示、出店やイベントブースなども設置されるなど100周年を祝う一大イベントで、ものすごい人でごった返していました。

実際に自分が現地に行ったのは、18時頃でメインイベントである軍事パレードも終わった後でしたが、それでも通りには人が溢れ、会場内は歩くのもやっとの混み具合でした。そして何よりこういうイベントに乗じて騒ぐ大量の若者(シャバーブ)の絡みがうっとうし過ぎて大変でした。

イベントのフィナーレには大量の花火がアラブのバックミュージックの中打ち上がりなかなか圧巻。まさかヨルダンで打ち上げ花火を見られるとも思っていなかったので、それに関しては行ったかいがありました。やっぱり夏の風物詩といえば花火です。

2016年5月25日水曜日

English in Grammar in Use で基礎固め


TOEFLテストの為の英語学習を約半年行なってきて、語学習得の土台となる基礎が不完全であることに気づき、基礎からもう一度やり直すことを決心。そこで取り組んでいるのが、ケンブリッジ大学出版の英文法書「English Grammar in Use」。非英語圏でよく使用され評価が高い文法書です。

Essential(初級)、Intermediate(中級)、Advanced(上級)の3種類ありますが、その中でも今自分も使っている中級が文法を幅広く網羅しており、内容も充実しているので一番使い勝手が良いそうです。独学で使うのであれば練習問題の解答とCD-ROMが付随しているバージョンのものがお勧めです。中身は全体が145項目に分かれており、各見開きページ左が文法解説、右が練習問題となっています。

内容は全て英語で書かれているので、英語で英文法を学ぶ感じになるのですが、中学生レベルの簡単な英語で書かれているので、理解するのに苦労もストレスもなく読み進められます。とにかく文法解説よりも例文や練習問題が非常に豊富なので、それらを通して感覚的に文法の使い分けや微妙なニュアンスの違いなどをつかみやすいかと思います。

調べたところによる、この文法書の効果的な使い方は以下になります。
※シャドーイングを加えると発音練習にもなるのでより効果的

  1. 見開き左の文法解説
    まずは解説や例文を読み込んで文法を十分理解する。この時、自分にとって重要な項目や難しいと思った箇所に印を付け、効果的に復習ができるようにしておく。
  2. 見開き右の練習問題
    練習問題を解き文法知識が定着していないところを洗い出す。間違った箇所はページ左の解説を再確認する。(繰り返し行う為、テキストに直接答えを書き込まない)
  3. 繰り返し
    ページ右の練習問題を文法知識が定着するまで繰り返す。
  4. 知識レベル→活用レベル
    ここからが重要。知識として留まっている文法をすぐ引き出して使えるレベルになるまで消化させる為にテキストのシャドーイングや英作文をひたすら行なう。

以上を約半年かけて地道に行なうことで、英語力をアカデミックなレベルまで引き上げる為の土台を構築したいと思います。結局、何事にも言えることですが基本が最も大切。そうでありながら疎かになりがちな部分なのでこれを機に出直します。

2016年5月10日火曜日

英語力レベル分析 → 学習計画

最近、英語学習に対するモチベーションが上がらないことが多くなってきました。その理由として、自分の現在の英語レベルを正確に把握していないまま、自身のレベルに合っていない方法を取っていたことが、ストレスとなってやる気を阻害する要因になっていたように思います。

具体的にはTOEFL学習において、国連平和大学に出願する上で必要なTOEFLスコアを獲得する為、参考書「Official Guide to the TOEFL」を買いアカデミックなレベルの英語学習を続けてきました。しかしながら、分からない単語や表現だらけで読み取るのも聞き取るのも困難な状況で苦行に近かったです。つまりは試験の為とは言えど明らかに自身の英語レベルを超えた学習方法だったと言わざるを得ません。

そういったことから、現在TOEFLの為の学習からは身を引いています。今一度自身の現在の英語レベルを再確認して、自身に適したやり方を再構築する必要性を感じる為です。そこで今回、改めて自身の英語力を考察して活動計画を作成してみようかと思います。

2016年4月30日土曜日

英語学習ヒント集

今までに効率的かつ自分に適した英語学習の方法はないかとインターネットなど駆使して調べてきました。その中にはなるほどと思って実践しているもの、自分に合わなくて止めてしまったもの、まだ試してないものなどいろいろありますが、なにより英語学習は継続が鍵。いかに自分が無理なく且つ楽しみながら続けられる方法を見つけるかが重要です。以下、自身の備忘録も兼ねていろいろ書き足しているので参考してもらえればと思います。

2016年4月17日日曜日

環境ワークショップ2016開催

@サルト

残り任期も9ヶ月を切った4月。約一年ぶりに環境ワークショップ(WS)を環境隊員3人で各自の任地において実施しました。今回は、赴任したての前回とは違い企画や準備の段階から関わることができ主体的にWSを実施できました。WSの概要は以下の通りです。


【2016年環境WS】

日程(場所) : 4月5日(ザルカ)、4月7日(サルト)、4月10~12日(アカバ)

対象 : 学校教員、生徒

目的 : 環境教育に対して楽しいイメージを持ってもらう

形態 : 参加型ワークショップ

内容 :
①アクティビティ体験(教員・生徒)
3つの環境アクティビティを実施し体験してもらう

>動物交差点(アイスブレイクゲーム)
ヨルダンやその他地域に生息する動物の写真を参加者の背中に貼り付けて、参加者同士で質問して当てあう
→ ゲーム終了後にそれらの写真の動物が絶滅危惧種であるという情報を伝える

>フォトランゲージ(グループワーク)
各グループに複数枚の写真(いくつかは環境に関連したもの)を配り、その写真を使ってストーリを作り発表する
→ 環境問題に限らず、社会問題を解決する為には因果関係などをイメージする想像力が不可欠であることを伝える

>暗闇のワークショップ
参加者全員に目隠しをし、触覚(ビニール袋)、嗅覚(ゴマ油)、聴覚(ごみ収集車の音)など視覚以外を使ったクイズを実施する
→ 目隠しをはずし答えあわせをする際に、各クイズで使用したものについて環境に関する情報を付加する
例)ビニール袋の自然界での分解年数は20年、20mlの油を魚が住める水質にするには6000L、アンマンとザルカから毎日最終処分場に集められるゴミの量は2600t

②環境教育アクションプラン作成(教員のみ)
学校で現在実施している、まが今後実施したい環境活動について話し合う
→ 参加者一人ひとり環境教育の行動計画を作成し発表する

③環境アクティビティ集&最終処分場DVD提供(教員のみ)
学校で環境教育を実施する上での参考資料として15個のアクティビティを紹介した冊子を作成、昨年7月に最終処分場を視察し環境DVDを作成




今回のWSを通して達成感と共に改善点も多く発見し、何より環境教育の難しさを再確認しました。

ヨルダンにおいては、学校全体ではまだまだ環境教育に対する意識が根付いているわけではなく、数学や英語、社会など基礎科目が優先され環境と言う分野は授業に組み込まれず軽視されがちです。また環境という分野は範囲が広く、自分の裁量次第で自由に活動できる反面、やるべきことが他の職種に比べ明確ではないので、どうしていいのか分からな分からなくなってしまうことが多々あります。

そして環境教育に限らず、教育と言う分野は結果が出るのに長い時間がかかり、またそれが明確ではありません。今回のWSでは環境教育を普及させるに当たり、まずは学校教員や生徒がというイメージを持ってもらうことが大切だと思い、「環境教育=楽しい」をコンセプトに参加型のWSを実施しましました。WS当日は参加者から良い反応をもらうことができましたが、それが結果としてすぐ学校現場に反映されるとは限らず、WS後の学校巡回などを通した地道なアフターフォローも重要です。

そんな、なかなか結果が見えない状況の中で自分自身のモチベーションを維持して活動する難しさもあります。それでもやはり教育や啓発は不可欠なものなので、残りの任期も曲りなりにがんばっていきたいと思います。

2016年3月25日金曜日

定番スイーツ、キナーフェ

@ザルカ

ヨルダンのみならず中東地域の定番スイーツといえばカナーフェ。小麦粉でできた生地の間にチーズを挟み甘く仕上げ、ナッツをトッピングした上にさらに甘いシロップをかけたほんのり温かい激甘スイーツです。上記の写真一切れが約50キルシュ(日本円で約70円)ですが、一切れ食べれば軽く胃もたれます。それでもとても美味しいのでたまに食べたくなるスイーツです。

ヨルダンには、至る所にカナーフェを始めとした甘いスイーツのお店が多く、現地の人がよく街角で食べたりテイクアウトしているのを目にします。中東では基本的に紅茶には砂糖をたくさん入れ、スイーツは激甘、料理にも油をたくさん使用するものが多く、食べすぎ注意なものが目白押しです。その為、長期間中東地域に住む場合は、当然のことながら食事にある程度気をつけたほうが良さそうです。

自分もヨルダンに来て一年以上経ちましたが、特に病気になることも無く、体重の変動もなく一応健康に過ごしています。それでも自身の活動先で出される砂糖たっぷりの紅茶で、砂糖漬けが進んでいる気がしてならない今日この頃です。これから中東に派遣される方は食事にはくれぐれも注意しつつ、美味しい料理を楽しんでもらいたいと思います。

2016年3月17日木曜日

アル・オルドン奨学基金



アル・オルドン奨学基金(以下、オルドン基金)はヨルダン在留邦人有志で運営する非営利団体です。将来を担うヨルダン在住の青少年(大学生・大学院生)の育成およびヨルダンと日本の架け橋となる人材の育成を目的として、1997年1月に設立されました。

在留邦人の知り合いで、向学心があり社会への貢献に意欲的にも関わらず、経済的理由により高等教育を受ける事が困難な学生に対し奨学金を給付しています。




ヨルダンには上記の目的で活動する奨学基金があります。過去の協力隊員によって設立され、かれこれ20年近く続いる団体です。自身もヨルダンに派遣来てまもなく委員会に入りこれまで活動してきました。

現在は、約10名の在ヨルダン日本人(ほぼ協力隊員)で役割分担(委員長や副委員長、会計、広報、採用、ニュースレターなど)して運営しています。現在は2人のヨルダン人学生を支援しています。その主な活動内容としては・・・

【定例会議】
毎月一回オルドン委員で集って定例会議を開いています。イベント企画や会計報告、情報共有などその次期によって議題はは様々です。時々、会議の後に食事に行ったりと和気あいあいとした雰囲気です。

【募金活動】
日本人会総会と日本人会運動会という、在ヨルダン日本人が一同に会する行事が年に一回ずつ開かれるのですが、そこにオルドン委員としてお邪魔して募金活動をさせてもらっています。いつも多くの方々から暖かい支援を頂いており、それが基金運営の大きな助けとなっています。

【採用活動】
年に2回、奨学生の採用時期があり、新しい奨学生の受け入れや現奨学生の継続審査を書類の提出や面接を通して行ないます。奨学生には在ヨルダンの日本人が後見人として付き、奨学生とオルドン委員との仲介役を担っています。

【イベント開催】
年に2回、オルドン基金主催のピクニックや運動会などのチャリティーイベントを開催しています。最近は諸事情により開催ができていませんが、以前のイベントでは多くの方々の参加があり支援者との交流の場となりました。

【ニュースレター配信】
年に2回、オルドン基金の活動状況を報告するニュースレターをメーリングリストで配信しています。採用情報や会計報告、イベント報告、新規委員紹介などを内容でお届けしています。  など



この様な活動をオルドン委員それぞれ活動の合間に行っているので大変な面もありますが、学生の支援や基金の運営などを通して普段の活動とはまた違った経験ができ、また新しい人間関係も広がるのでそういった面白さはあると思います。

しかしながら、最近ヨルダンにやってくる協力隊員の人数も減少傾向でオルドン委員の人数も同じく減少傾向にあります。また新しい奨学生を迎える為にはより多くの支援が必要になるのでファンドレイジングや広報などを改善していく必要性もあったりと、いろいろ課題はありますがこれからも細々と委員同士協力して続けていきたいと思います。

2016年2月29日月曜日

多種多様なイスラム

@線路沿いの市場(ザルカ)

ヨルダンで生活して一年、日常の様々な場面でイスラムと言うものに接してきました。職場や学校、生活地域などでイスラム教徒の人々と話したり遊んだりと接する機会が多いわけですが、そんな中で思うのは「イスラムは多種多様」だということです。

ヨルダンに派遣される前は、イスラム教徒というと信仰心が強く、毎日のお祈りを欠かさず、まめにコーランを読むというありがちなイメージを持っていました。しかし実際にさまざまなイスラム教徒と接してみて全ての人がその様であるわけでは無いと知りました。どのようなタイプの人々がいるのか例を上げると・・・


お酒などイスラムに反するものを一切口にせず一日5回欠かさずお祈りをする厳格な人

お酒を飲みお祈りをせず、イスラムの教えをあまり守っていない人

昔はお酒を飲んでいたが、結婚してからは止めてちゃんとお祈りをするようになった人

イスラムの教えに則ってブルカ(全身を覆い隠す衣類)を身に着ける女性

ヒジャブ(髪を隠す布)を身につけず欧米と変わらないファッションの女性

イスラム教以外の宗教に否定的で改宗を強く勧めてくる人

信仰は人それぞれ自由という考えで、仏教やキリスト教など他の宗教にも寛容な人

など


この様に、考え方や習慣が世代や地域、人によって様々です。またヨルダンには欧米文化や外資系企業が多く入っていることもあり、特に首都のアンマンでは世俗的な雰囲気で、海外に留学経験がある人は概ねリベラル思考であるように感じます。それでもやはりイスラム教の国なので、生活や社会的ルールの基盤にはイスラムの教えがあります。

公共の場で見知らぬ男女が話をすることは控えられていますし(アンマンはそうとも限らない)、公共バスの中では席がいっぱいでない限り男性は女性の隣に座らず、また女性やお年寄りに席を譲ります。一日五回各地のモスクからアザーン(お祈りの時間を告げる放送)が流れ、ラマダン月(断食)やイスラムの祝祭日は伝統に則って行なわれます。

この様に、ヨルダンの社会にはイスラムの教えが根本にありますが、比較的自由な側面も存在します。なので、イスラム教徒と言えあまり硬く考えず比較的気軽に付き合えるのではないかと思います。もちろん失礼が無い様にイスラムの教えの基本は押さえた上で。

2016年2月20日土曜日

キャンドルの灯火、ペトラバイナイト

@エルハズネ(ペトラ遺跡)

ヨルダンに来て初めてペトラ遺跡に行ってきました。ペトラ遺跡と言えばヨルダンの代名詞とも言える有名な世界遺産です。インディージョーンズの映画の舞台ともなり、知る人も多いのではないでしょうか?

そんなペトラ遺跡では、月・水・木曜日の20時30分からペトラバイナイトなるものが開催されます。遺跡入り口からシークを抜ける道沿いにロウソクが灯され、目的地のエルハズネの前には大量のロウソクが並べられます。その明かり越しに遺跡がぼんやりと見え、そこでベドウィン興行師による催しが行なわれます。

それを見る為、他の協力隊員と泊りがけで行ってきました。木曜日の午後にチャーター車でアンマンから約4時間かけてペトラへ。到着後、ホテル近くの観光案内所でチケット(17JD)を購入。その後ホテルにチェックインし、近くのレストランで夕食を食べ遺跡へ。遺跡のビジターセンターは大きく清潔感があり数多くのお土産屋が立ち並びます。

まばらにしかいなかった観光客も遺跡ゲートがオープンする20時30分頃になるといつの間にか大勢に、世界遺産ということもありやはり外国人観光客が目立ちます。そして時間になりゲートを抜け明るい月明かりと、足元に灯されたロウソクの光を頼りに遺跡内を進みシークを抜けること約一時間、目的地のエルハズネの前に。

巨大なエルハズネを見るのは今回が初めてでしたが、ロウソクの明かりでぼんやりとしか見えなかったので今ひとつ規模感がつかめませんでしたが、ロウソクの明かりで赤く色づいた遺跡はなかなか幻想的でした。これを見るとなるとペトラ近辺に泊りがけになりますが、昼間とはまた違った遺跡の雰囲気を楽しめると思うので一見の価値ありです。

2016年1月31日日曜日

ボランティア活動報告書3号

ヨルダンでの活動任期も折り返しの一年を迎えました。現状、プライベートは充実していますが、活動は今ひとつの状況で、早くも長くも感じる一年だったと言うのが正直なところです。また今は任期中に5回提出するボランティア活動報告書の3号の提出時期で、これまで一年間の活動状況を振り返って、今後の活動の方向性の修正を行ないます。ちなみに近々、JICAヨルダン事務所で活動の中間報告会もありプレゼンに頭を悩ませている今日この頃です。

2016年1月27日水曜日

難関TOEFLテスト


青年海外協力隊としてヨルダンに派遣されて任期折り返しの1年が経ちました。任期が終わった後は大学院で修士を取得したいと思っているわけなのですが、それが海外の大学である為、出願に当たってTOEFLのスコアが必要になります。その為、昨年からTOEFL学習を始めましたのですがこれがが非常に難しい。

TOEFLテストは、リーディング、リスニン、スピーキング、ライティングの4技能全てが含まれ、大学などで学ぶような学術的な内容を扱っているので非常に難易度の高いテストです。尚且つ、自分自身今までに受験したことも無く、テストの傾向なども全く分からない初心者レベルからのスタートで、それがさらに難易度を上げています。

そこで、まずはテキストが必要と思い購入したのが、Official Guide to the TOEFL Test With CD-ROM, 4th Edition (Official Guide to the Toefl Ibt)。かなり分厚いテキストで、テストの傾向や対策に練習問題、過去問題、さらに模擬テスト用音声CDが付属しており充実した内容ですが、中身は全て英語で書かれています。英語で英語の勉強をするという点では非常に効果的だとは思うのですが、内容によっては難しすぎて理解するのに苦労します。

特に分からない単語が多く、それを調べながら読み進めるのは骨が折れます。学術的なボキャブラリーのベースを作る必要性を強く感じる今日この頃です。また受験時期は大学院出願に間に合うぎりぎりを予定していますが実質あと半年もない状況です。その間にいかに英語力の底上げをできるかが肝心です。それ以前にこの分厚いテキストを一通りできるかすらちょっと怪しいですが、とりあえずコツコツ続けていこうと思います。

2016年1月19日火曜日

TED talk で英会話

James Nachtwey: My photographs bear witness

英語力を向上の為に試行錯誤している今日この頃。学生時代に長年英語を学んだにもかかわらずあまり話せないということは、そもそも日本の英語教育が試験に重点を置いたもので実用性に直結しておらず、かつ自身の学習の仕方に問題があるからだと思い、従来とは違う様々な手法をいろいろ試しています。



そこで目をつけたのがTED talk。科学や芸術、ビジネスなど様々な分野のスピーチを紹介しているサイトなのですが、一つのスピーチの長さが20分以下と比較的短く、かつ様々な言語の字幕やスクリプトも用意されています。その中でも特にスクリプト機能が便利で、スピーチ動画を再生するとスクリプト上で話されている部分に下線が引かれるので、全体を把握しつつ聞きながら読み進めやすいです。またスピーチの動画・音声ファイルをダウンロードすることもできるので、出先で使えて便利です。

しかしながら、スピーチで扱われているテーマは専門的なものが多く使用される英単語などの難易度が高いので、全く英語ができない人にとっては敷居が高いかもしれません。それでも様々な英語の表現や言い回しなどを知ることができ、またリスニング、リーディングなどの練習にもなるので利用する価値はあります。



個人的な使い方としては、アナログな方法ではあるのですが、スクリプトをワードにコピー&ペーストして印刷し、まずスピーチを聞きながら読み、分からない単語や構文をチェックして調べて書き込み、再度聞きながら読むことを繰返しています。それがリスニングやリーディングの練習になり、さらにその時にシャドーイングを行なうことでスピーキングや発音の練習にもなります。

自分自身あまり集中力がある方ではないので、無理が無い様に毎日一段落だけを集中的に行なうようにしています。それを繰返すと一ヶ月ほどで一つのスピーチが終わります。後は自分が納得するまで、英語が定着するまで継続して取り組むのみです。

ここで重要なのが、自分が興味のあるテーマのスピーチを利用することです。人間誰しも興味の無いことはやりたくないもので、それではつらい英語学習になってしまいます。いかに「学習」という意識を感じないように工夫するかが継続する上でコツだと思います。



ちなみに自身が今聞いているのが、フォトジャーナリスト、ジェームズ・ナクトウェイのスピーチです。彼は20年以上のキャリアの中で、パレスチナやルワンダ、コソボ、チェチェンなど様々な戦場を取材してきた経験を持ち、物静かなまるでサムライのような雰囲気のあるカメラマンで、個人的に尊敬するカメラマンのひとりです。

このスピーチでは、主に戦争や社会問題に関連する用語がたくさん使用されているので、平和構築や紛争解決の分野について学ぶ上でも役立っています。自分が興味がある、専門としている分野のスピーチなら英語を身につけながら知識も得ることができるので一石二鳥です。

最後に、このスピーチの中で個人的に印象深かったところを紹介します。



(※以下、TED talksより抜粋)

Society's problems can't be solved until they're identified. On a higher plane, the press is a service industry, and the service it provides is awareness.

社会問題は、発見されなければ解決されないのです もっと高い見地から見ると、出版業はサービス産業であり、そのサービスが提供するのは「覚醒」です。


I'd been photographing in the Islamic world since 1981 -- not only in the Middle East, but also in Africa, Asia and Europe. At the time I was photographing in these different places, I thought I was covering separate stories, but on 9/11 history crystallized, and I understood I'd actually been covering a single story for more than 20 years,

私は1981年以来、イスラム社会を撮って来ました。中東だけでなく、アフリカ、アジア、ヨーロッパ。私がこれら別々の場所で写真を撮っている時、私はこれらは別々の物語だと思っていました。しかし9月11日に歴史は結晶化し、私は自分が20年間実際は同じ物語を取材して来たのだと理解しました。


I'd witnessed immense suffering in the Islamic world from political oppression, civil war, foreign invasions, poverty, famine. I understood that in its suffering, the Islamic world had been crying out. Why weren't we listening?

私はイスラム社会の猛烈な苦痛を目にしてきました。それらは政治的圧迫、内戦、外国の侵略、貧困、飢餓によるものです。私は、イスラム社会がその苦痛のなかで 悲鳴を上げていると思っています。なぜ我々はそれを聴こうとしないのか?

2016年1月16日土曜日

ムカーウィルから望む死海

@ムカーウィル奥の丘から

キリスト教徒の多いヨルダン中西部の都市マダバ。ここにはモーゼ終焉の地として有名なネボ山を始め様々な遺跡が点在しています。そして今回、その内の一つであるムカーウィルに協力隊員数名と共に行ってきました。

ムカーウィルとは、洗礼者ヨハネが投獄され処刑されたとされる砦の跡地です。小高い山の上にあり、頂上からは周囲360度見渡せ、死海越しにパレスチナを望むことができる絶景の場所でもあります。その日は天候も晴天で空気も澄んでいて、きれいに遠くまで見渡すことができました。

ことのついでに、天気が良かったのでムカーウィルから死海のほうに連なっている丘を歩いて言ってみました。丘の上では風が吹きぬけ、ベドウィンが放牧する羊が群れをなし、眼下に死海を見下ろすすばらしい眺めでした。しかしながら道中砂利に足をとられたり、地面に大穴が開いていたりしたので注意が必要です。行くなら山の麓の道沿いを進むのが無難でしょう。

2016年1月9日土曜日

ミリタリーショップの街

@ザルカ商店街

ヨルダン第二の都市で大工業地域でもある自身の任地ザルカ。普段生活している場所であるため最近はめっきり散策することもなくなりました。基本的に外国人やヨルダンの他地域の人からいい評判を聞かないザルカですが、それでも良いところはあります。そして、最近思う一番の見所は・・・

充実したミリタリーショップ

ザルカには郊外に軍事施設が多く、軍関係の仕事をする人が大勢いて、日常的に街中で迷彩服を来た軍人や警察官を見かけます。そのため必然的に軍関係の衣料品や雑貨を扱う店がたくさんあり、主に市内線のバスが停留するムジャンマ・カディームの近くにそれらのお店が軒を連ねています。

そこはまさにミリタリー通り。そのエリアに行くと店先に迷彩服やブーツなどがぶら下げられ、店内では衣類の縫製をする職人の姿を目にすることができます。扱っているもの全てが軍で実際に使用されている業務用であるため、プロ使用でとても丈夫です。個人的にはそこまで興味がないのですが、ミリタリーマニアにとっては生唾もののようです。

ヨルダン北部の都市イルビッドにもミリタリーショップがあるそうですが、ザルカの方が店員の質もよく女性ものも扱っているそうでお勧めらしいです。本場の軍用品を扱っている所もなかなか無いと思うので、ミリタリーに目がないという人もそうでない人も一度ザルカに訪れてみてはどうでしょうか。