2016年8月7日日曜日

ヒロシマ・ナガサキ原爆展


@アンマン

8月6日と9日は広島と長崎の原爆の日です。それに合わせ8月6日(土)にJICA関係者を対象に広島出身の隊員と協力して原爆展を開催しました。過去に広島や長崎の慰霊祭に毎年足を運んでいたこともあり、任期中に是非開催したいと思っていたことです。

当初はヨルダン人やその他外国人など様々な人を対象に実施しようと考えていたのですが、諸事情により断念。日本人を対象に過去の原爆や戦争について改めて知ってもらう機会にしようと実施しました。当日人が来るか心配でしたが、約20名と思っていた以上に参加してくれ、展示や映像をじっくり見てくれました。

また今回の展示において、JICA広島広島平和記念資料館だけでなく、NPO「ANT-Hirhoshima」からも資料提供などのご協力を頂くことことができました。今回の展示が参加者にとって過去の戦争を顧みる機会、現在進行形の戦争に意識を向ける機会になったのであれば幸いです。



また今回の展示を通して、過去の原爆や戦争を顧みる機会、広島や長崎について知る良い機会になったというポジティブな意見がある一方、展示物や映像に原爆や戦争被害の実相を伝える為の生々しい映像も含まれており、不快な思いをしたり、あまり見たくないと感じた人もいました。平和教育や啓発において、事実であったとしても凄惨な写真や映像を見せるべきかどうかは意見が分かれるところだと思います。

事実としてあったことをしっかり伝えるべきだという意見。幼少期など精神的に発達段階にある子どもには悪影響を及ぼす可能性があり見せるべきではないという意見。戦争の悲惨な実相を表すショッキングな写真や映像が印象や記憶に強く残り、それが平和意識をもたらす場合。繰返される悲惨な写真や映像を伴う平和教育によって、逆に拒否反応を示してしまう場合など様々です。

見せる側の手法、見る側個人の性格や考え方によっても受け取り方や将来的な意識形成も変わってくること、また人間にとって視覚から得られる情報は非常に多く、そこから受ける影響も大きいことを考えると見せ方は非常に重要です。良かれと思って行なった平和教育が、結果的に平和構築に関わる人材育成の妨げになるという本末転倒な事態になる可能性も十分あります。

人に何かを伝えるという目的に、平和意識の育成という要素が付加された場合、ただ単純にあるものをありのまま見せるということがベストではない場合もあるという気づきは個人的に大きかったです。今後、同様の機会があった際にその点を十分考慮してやっていきたいと思います。



以下、展示内容の詳細です↓

【展示物】
ヒロシマ・ナガサキ原爆写真ポスター30枚
サダコと折り鶴ポスター25枚(A3)
絵本「折鶴の旅」(英語・アラビア語)*
被爆体験談
その他パンフレット

【DVD上映・中継】 
PV「ヒロシマから未来へ、広島平和記念資料館」(10:00~10:30) 
中継リポート「8月6日の広島から」(10:30~11:00)
ドキュメンタリー映画「White light Black rain」*(11:00~12:30)
映像資料「ヒロシマ・母たちの祈り」(12:30~13:00)
以降、再上映

【折鶴作成コーナー】 
作成された折鶴を広島へ送付

【配布物】
ハンドブック「広島の原爆被害を学ぶ~被害の実相と核兵器の現状~」
折り鶴の折り方(英語・アラビア語)

*NPO「ANT-Hirhoshima」より寄贈