休日の土曜日、自身の任地ザルカでシリア人やヨルダン人の支援を行なっているNGO「NICCO」が主催する演劇を見に行ってきました。NICCOはヨルダンでは主に戦争被害者のメンタルケアを目的とした心理社会的ワークショップを実施している団体です。
心理社会的ワークショップとは、描画(2次元)→粘土(3次元)→演劇(4次元)という自己表現プロセスを通して戦争によるトラウマやストレスに向き合って、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を予防するものです。そして演劇では、自身の経験や身の回りの問題などを自分自身で演じて表現すると共に、自分達が置かれている状況や気持ちを他の人々にも知ってもらう啓発も目的とされています。今講演は約半年練習した演劇を家族や親族へのお披露する場でしたが、他にもヨルダン各所で一般講演も行なうなど精力的に活動しています。
昨年の5月にNICCOのザルカオフィスにお邪魔させてもらい、演劇の練習など活動の様子を見学させてもらったのですが、実際の講演を見るのは今回が初めて。約2時間、彼らの身近にある問題や悩みをテーマにしたショートストーリーがシリアスに時にコミカルに演じられていました。しかしながら、全編アラビア語だった為いまいち内容がつかめず。それでも役者達の感情豊かな演技はとてもすばらしく、内容が分からないなりに楽しめました。人前で堂々と演じられる度胸はさすがアラブ人です。
ヨルダンに来て約1年10ヶ月、これまでヨルダン国内において様々なNGOの活動や支援の形を見聞きする機会があり、自身の今後の進路を考える上で参考になる部分も多くありました。後2ヶ月で任期が終わりますが、これまでの経験を元に今後自身がどのような形で「平和と戦争」というテーマに関わっていくか今一度考えたいと思います。