@線路沿いの市場(ザルカ)
ヨルダンで生活して一年、日常の様々な場面でイスラムと言うものに接してきました。職場や学校、生活地域などでイスラム教徒の人々と話したり遊んだりと接する機会が多いわけですが、そんな中で思うのは「イスラムは多種多様」だということです。
ヨルダンに派遣される前は、イスラム教徒というと信仰心が強く、毎日のお祈りを欠かさず、まめにコーランを読むというありがちなイメージを持っていました。しかし実際にさまざまなイスラム教徒と接してみて全ての人がその様であるわけでは無いと知りました。どのようなタイプの人々がいるのか例を上げると・・・
お酒などイスラムに反するものを一切口にせず一日5回欠かさずお祈りをする厳格な人
お酒を飲みお祈りをせず、イスラムの教えをあまり守っていない人
昔はお酒を飲んでいたが、結婚してからは止めてちゃんとお祈りをするようになった人
イスラムの教えに則ってブルカ(全身を覆い隠す衣類)を身に着ける女性
ヒジャブ(髪を隠す布)を身につけず欧米と変わらないファッションの女性
イスラム教以外の宗教に否定的で改宗を強く勧めてくる人
信仰は人それぞれ自由という考えで、仏教やキリスト教など他の宗教にも寛容な人
など
この様に、考え方や習慣が世代や地域、人によって様々です。またヨルダンには欧米文化や外資系企業が多く入っていることもあり、特に首都のアンマンでは世俗的な雰囲気で、海外に留学経験がある人は概ねリベラル思考であるように感じます。それでもやはりイスラム教の国なので、生活や社会的ルールの基盤にはイスラムの教えがあります。
公共の場で見知らぬ男女が話をすることは控えられていますし(アンマンはそうとも限らない)、公共バスの中では席がいっぱいでない限り男性は女性の隣に座らず、また女性やお年寄りに席を譲ります。一日五回各地のモスクからアザーン(お祈りの時間を告げる放送)が流れ、ラマダン月(断食)やイスラムの祝祭日は伝統に則って行なわれます。
この様に、ヨルダンの社会にはイスラムの教えが根本にありますが、比較的自由な側面も存在します。なので、イスラム教徒と言えあまり硬く考えず比較的気軽に付き合えるのではないかと思います。もちろん失礼が無い様にイスラムの教えの基本は押さえた上で。