2017年9月16日土曜日

さらば、APSプログラム

この度、Asian Peacebuilder Scholarship(APS)プログラムを去ることとなりました。

このプログラムは、日本財団(The Nippon Foundation)がアジア諸国の学生を対象に毎年募集する奨学金制度で、フィリピンの Ateneo de Manila University(AdMU)とコスタリカの University for Peace(UPeace)の2つの大学院を通して平和構築を学ぶものです。

まず約半年間 AdMU で英語訓練とマスタークラスを受け、その後 UPeace で約10ヶ月間平和構築について学び、再び AdMU に戻り半年間学び卒業して初めて2つの修士号が取れます。しかしながら、自分はこの最初半年のフィリピンにおいて最終的に政治学の成績が要求水準に至らず、また諸事情ありでコスタリカへは行かずに終わりました。

この半年を表現すると「ストレス」の一言に尽きます。実際のところ英語に対するコンプレックスとの戦いだった様に思います。それをうまく自分の中でマネジメントできずモチベーションを保てなかったことが、今回の結果に繋がったのだと思います。

最終的にこの一件が他のメンバーに知れ渡り、かなり大騒ぎになりました。何人かのメンバーは自分の状況をなんとかしようと精力的に動いてくれましたが、それに答えるだけのモチベーションを持ち合わせておらず、結果的に現状を受け入れるという決断をして幕を閉じましたが、最後の最後に紆余曲折ありまた違ったストレスに直面しました。

しかしながら今回の一件で、普通に何事も無く成績をパスしコスタリカへ行き、またフィリピンに戻り卒業していたら知り得なかったであろう、他のメンバーの一面を知ることができたのは良かった気もします。同じアジア圏の人間であったとしても、国によって、また個人によって考え方や価値観が違い、またこのプログラムに対する思いに差があるということをひしひしと感じました。まさにカルチャーショックでした。

結果的に他のメンバーとは違う道に行くことにはなりますが、自分的には最終的にやりたいことがあり、このプログラムへの参加はそこへ向かう為の回り道でした。その為、ここで終わることに対してそこまでネガティブな感情を持ってはいません。確かにプログラム全体を通して得られたはずの経験や知識、人間関係を得られなくなったという面では非常に残念な結果ではあります。

しかし一方で、自分が本当にやりたいことをするタイミングが早めにやってきたという前向きな捉え方もできます。この結果が自分にとって良かったのか悪かったのか、今の段階では分かりませんが、これからこれが間違いだったと思わない様に別の道で精進するのみです。また、この半年を「ストレス」と表現しましたが、実際この半年で得られた経験や人間関係は有益なものでしたし、英語も曲がりに多少上達した様に思います。

そして最後に、これからAPSへ参加する人へアドバイスしたいことが一つ。AdMU の成績システムはかなり厳しく、6月と7月に受講する政治学を落とすと恩赦を受けることは非常に難しいので、授業を受ける段階から教授に自身の成績の要求水準をアピールして、アドバイスを受ける努力をすることをおすすめします。自分はモチベーションの欠如故それを疎かにしたことがあだになりました。自分と同じ鉄は踏まないように。