2021年12月26日日曜日

マルチタスクからシングルタスクへ 。脳機能と集中力の回復のために

スマートフォン上のアプリは必要最低限

最近という前から、自分自身どうも注意散漫でうまく物事に集中して取り組めないなと思っていました。目の前でやっていることとは別のことが気になったり、他のことに目移りしたりと、どうも落ち着かない感じがあります。これは一体どうしたものかと調べてみて、行き着いたのがマルチタスクの弊害。

フリーランスになってから、同時並行的に様々なことをやる機会が増えてしまったことが注意力散漫の原因の一つであることが分かってきました。社会的に、マルチにタスクをこなせるのができる人材、かっこ良いことという風潮がありますが、実はそんなことはなかった。。。

マルチタスクは、続ければ続けるほど脳機能低下させ、精神的ダメージをもたらすと言われています。そこで今回、マルチタスクを解消する方法について紹介したいと思います。

マルチタスクに対する誤解

そもそも多くの人達はマルチタスクという言葉を誤認しているのではないでしょうか。これまで自分自身もそうでしたが、マルチタスクと聞くと、同時に多種多様な物事を処理しているというイメージを抱くと思います。

しかし実際は、そんなコンピュータが行う様な高度な処理を行なっているわけではなく、ただひたすら、意識を向ける対象を切り替えまくっている状態の様です。

例えば、パソコンで事務作業をしている時に、メールを受信したので確認し返信文を作成していると、今度は電話の着信がありすかさず応答。その後、途中だったメールの返信に再度取り掛かりつつ、さっきまでやっていた事務作業について考える。

ふとデスク脇のスマホを見るとSNSの通知が。気になり開いて見ると誰々がどこそこに旅行に行ったとか、最近私たち結婚しました的な投稿があり、いいね!をしたり、メッセージを送ったりのやりとり。そしてまた事務作業へと戻る。

こういったことは、生活の中でよくあることだと思います。

しかし、よくよく考えてみると分かるのですが、どのタスクも「同時並行」には処理されていません。短時間に行ったタスクが多いためそう見えますが、その都度、意識を向けるタスクを変更している(させられている)だけです。

なので、マルチタスクというのは厳密には「短時間に超高速で行うシングルタスクの切り替え」と言えます。そもそも人間の脳はコンピュータの様なマルチタスクができる仕様にはなっていません。

マルチタスクは弊害だらけ

先程の話で、なんとなくマルチタスクの弊害が感じられたかと思いますが、厳密にどんな弊害があるかというと、調べた限りでは主に以下になります。

  • 集中力や短期記憶などの脳機能の低下
    マルチタスクは筋トレやスポーツの様に、やればやるほど強くなったりうまくなったりするものではないそうです。むしろ、やればやるほど物事に集中して取り組んだり、記憶したりする機能が落ちてしまうのだとか。

    マルチタスクを続けることにより生産性が40%も下がるという報告もあります。意識を向けて集中すべき対象をコロコロ変える(変わる)わけですから、深い集中力を発揮することはできません。

  • 外部刺激に対する依存や中毒
    マルチタスクでは頻繁に意識を向ける対象が変わります。言い方を変えると、別の刺激に変わるわけです。常に細かい刺激に晒され続け、それが恒常化すると新しい刺激がないと落ち着かない精神状態になります。常に無意識的に何かしらの刺激を求めてしまい、注意が散漫になってしまいます。

  • 漠然とした不安感の増大
    上記のことが積み重なって、刺激がない状態では落ち着いていられなくなり、理由もなく不安感抱いてしまう精神状態に陥ってしまいます。タバコが切れたヘビースモーカーの状態に近いのではないでしょうか。

SNSはマルチタスクの温床

昔に比べ、現代はあらゆる面でマルチタスク化が進んでいると思います。

スマートフォン&SNSがまさにそうです。SNSのタイムライン上にはひっきりなしに新しい情報(刺激)が流れてきて、投稿内容ごとに自分の意識が切り替わります。そして、そんな環境へスマホで手軽にすぐアクセスできます。

さらには、何かやっていても通知やメッセージにより、集中を削がれることも多くなります。自分自身、仕事柄SNSを使うことが多いのですが、正直スマホとSNSのコンビネーションは最悪だと思っています。

これまでも、SNSの運用方法についてはいろいろと頭を悩ませてきました。それについては別記事に書いてあるのでよかったらどうぞ。

マルチタスクからシングルタスクへ

結論、人間の生物的機能を考えると、マルチタスクで複数の物事を行ったり来たりしながらこなすより、ひとつの物事に意識を向けて順を追ってこなしていく、シングルタスクによる処置が理にかなっています。

そして、いろいろ調べたり考えた結果、マルチタスク状態からシングルタスク状態に移行する上での肝は、「主体的な意識の切り替え」という結論に至りました。要するに、自分の意思に反して勝手に外部刺激が入ってこない環境を整備すれば良いわけです。

最後に、最近自身が行っているシングルタスク化の工夫について紹介したいと思います。

・スマホ通知オフ(電話以外)
個人的にスマホは好きではないのですが、連絡手段としての必要性と利便性から使用しています。ただ、集中を削がれないために電話以外の全てのアプリの通知は完全にオフにしています。以前は、着信音無しで通知だけ出る様にしていましたがそれもやめました。ただ、撮影の仕事などで出先でお客さんとやり取りする場面もあるので、そういう場合のみ通知をオンにしています。

  • アプリの削除/非表示
    パソコンで利用可能なアプリに関しては全て削除しています。メールやメッセージアプリ、Googleマップ、乗り換え案内など外出した時に必要になるものだけ残しています。あと、つい開いてしまわない様にホーム画面からは非表示にしています。

  • メッセージの確認返信は1日3回
    仕事の連絡などもあるので、全くメッセージやSNSを確認しないわけにもいかないので、自分の中で1日3回、特定の時間(朝・昼・夕)に確認返信する様に決めています。正直そこまで急を要する連絡もないですし、1日最低1~2回の確認で事足ります。懸案事項があるのであれば、回数を調整すれば良いだけです。

  • チャイムアプリの起動
    50分作業して10分休憩するという様な学校では当たり前のルーティンが集中力を維持する上で良いのではと改めて思った今日。特定の時間にチャイムが鳴るアプリを入れました(音はお寺の鐘)。

それにより、定期的に休憩を取ることができるのでバイオリズムが生まれ、長時間の作業で集中力が切れているにも関わらずだらだら作業をしてしまう状態を防げそうです。

たったこれだけのことですが、かなり生産性は上がると思います。自分がやるべきこと、やりたいことに集中して取り組むために、是非試してみてください。

2021年12月25日土曜日

「やらないこと」を決める。タスクの断捨離という発想

撮影することが一番楽しかったヨルダンでの協力隊時代

年齢を重ねたからか、それともフリーランスで働いているからか、日々「やらないこと」を決める大切さを身に沁みて感じます。というのも、今自分が本当にやりたいことで生きているかと言えばそうではないからです。

個人的に一番やりたいこと、本業としていることは、海外に取材に出かけて写真家として活動することです。しかしながら、それで食べていけていないのが現状。生活のために別で仕事をしなければならず、国内で撮影の仕事をしたり、アルバイトをしたりして生計を立てています。

国内で頂く仕事の中には、本業にも役立つスキルが身につくもの、やってみると意外と楽しいもの、やりたくないがお金のためにやっているもの、などなど。自分にとってプラスになるものもあれば、そうでもないものもあり、まさに玉石混交です。

そういった状況なので、やりたいことに集中したいが、現実問題としてそれがやりきれない状態になっています。挙げ句の果てに、本当は何がやりたいのか分からなくなったりします(絶賛迷走中)。今回は、自分なりに調べたり、経験を通して考えたりしたことについて紹介したいと思います。

色々やってみる(挑戦)→やらない決断(断捨離)

そもそも、「やらないこと」を決める段階に入るのは、ある程度人生経験を重ねた頃かなと思います。自分は現在36歳。20~30代にかけて色々なことを経験してきました。

ピースボート乗船、靴屋でアルバイト、震災被災地やフィリピンのスラムでボランティア、養殖業、ラジオ局番組アシスタント、ヨルダンで青年海外協力隊、海外大学院留学、フリーランスなどなど。

かなり経験としては多様なんですが、それもあり、自分が何にやりがいを感じ、何を苦手としているか分かっているつもりです。表面的な趣味趣向は年代や経験によって変化することがありますが、誰しも、核として得意不得意、好き嫌いはあります。

自分自身、様々な経験を経て行き着いた生き方がフリーランスの写真家なわけです。こうして、ある程度自分の中でやりたいことの方向性が明確化した中で、いよいよ「やらないこと」を決めていく段階に入ります。

「生活のために」という罠

自分がやりたいことをやるためにフリーランスになった人の中には、「生活のため」と自分を納得させて、苦手だったり、やりたくない仕事をしてしまっている人も多いのではないでしょうか(自分もそのひとり)。インターネット上でも多くのフリーランスの方が書いているのですが、「やりたくないことをやるのは自分にもお客さんにも良くない」ということ。

それはどういうことかというと、まず「やりたくないこと」というのは自分にとって苦手なことであって、モチベーションが上がらないことです。それは結果的に仕事の完成度を下げ、ミスに繋がります。お金のため、生活のためと無理してやって結果良い仕事ができない。どう考えても、自分にとってもお客さんにとってもマイナスです。

しかしながら、切羽詰まったり、生活の先行きが不安だと、人間というのは受け身になりがちです。せっかく依頼された仕事だから、ギャラが良いから、今後仕事がもらえなくなるかもしれないから、など。様々な理由をつけて気乗りしない仕事をやってしまうことは往々にしてあると思います。

そこで大切なのは、逆説的ではありますが「お金と生活」を基準に物事を決めないことです。

生きていかなければいけないのに何を言ってるんだ!という反論が飛んできそうですが、「お金と生活」を基準にしてしまうと上記の様な状態に陥りやすくなります。そこで、自分なりに「やらないこと」の基準を明確しておくことは、疲弊して自分を見失わない様にする上でも重要になります。

「やらないこと」の基準を決めて断る、手放す

人間社会で生きている限り、あらゆるやりたくないことを身の回りから排除することはできません。ただ、自分が本当にやりたいことに注力するために、それらを最小化することはできます。自分の場合は、仕事を受ける上で大まかに以下の3つを念頭に置いています。
  • 楽しんで取り組める仕事か
  • 得意でスキルを活かせる仕事か
  • 本業に役立つスキルが身につく仕事か
仕事を安請け合いしてしまう前に、上記のことについて自問自答する様にしています。どれかひとつに当てはまった上で、その仕事に対して支払われるギャラは適切かどうかを判断するのが賢明だと思います。

そうは言っても生活のためにお金を稼がなければいけないのは事実。。。そこで自分の基礎生活費を知ることが大切になってきます。

自分の基礎生活費を知り、やりたいことで生き抜く

基礎生活費とは、字の如く、自分が基本的な生活を送るために毎月必要とする生活費です。闇雲に生活やお金のために仕事をして、本来自分がやりたいことを蔑ろにしないためにも、まずこの費用計算が重要になります。

自分が毎月最低いくらあれば生活できるか明確に分かっていれば、それだけ稼いでおけばひとまず大丈夫という安心感が得られます。そこが明確に分かっていないと、常にもっと稼がないといけないという強迫観念に駆られて、やりたくない仕事を受けてしまうことに陥りやすい。

自分が得意な仕事でその生活費を賄えるならOK。そうでない場合でも、必要な分だけの仕事量で留めることができます。あとの時間や労力は、本当に自分がやりたいこと(ライフワークなど)に全振りしていくのがベストだと思います。

自分のやりたいことが軌道に乗り生計が立てられるまで、地道に創作活動なり、情報発信なりに集中的に取り組んでいく。そういったライフワークバランスにシフトしていきたい。「やらないこと」を決める、その先に「やりたいこと」で生きる人生があるんじゃないかと思う今日この頃です。

2021年12月19日日曜日

フリーランスはフリーじゃない?理想と現実が割と違ったという話

撮影で訪れた新橋駅前のSL広場

現在、フリーランスとして活動し始めて早3年。

東京を拠点に撮影の仕事を始めて、様々な仕事を請け負いながら働いているわけなんですが、気づけばフリーランスと言いながら案外フリーじゃ無いなと感じる日々。その部分について参考までに共有しようと思います。

あらゆることが自分次第なフリーランス

まず、フリーランスという働き方についてですが、要するに会社などの組織に雇われずに、自分の持っている技術や能力を活かして仕事を獲得して生計を立てるという働き方。

自分の場合だと、写真撮影の技術を活かして、撮影を依頼したい個人や企業から仕事を頂いて仕事をしているわけです。仕事を依頼してくれる人がいれば仕事があるし、そうでなければ無い。至ってシンプルですね。

もし依頼された仕事が自分には合わない内容やタイミングだったりすれば、無理してやらなくても良いし断れば済むことです。そこには仕事の選択や裁量の自由があります。

しかし、雇用されているとそうはいきません。

組織のルールに則って平日5日間8時から17時まで働いて土日休み。やりたく無いことでも上司などの指示に従ってやらざるを得ない場合も多々あると思います。それに加え、人間関係の煩わしさにも縛られてしまう場合もあるかもしれません。

そう言う点では、フリーランスはある程度スケジュールや人間関係の制約から自由でいられます。より稼ぎたければ、たくさん仕事を入れて働けば良いし、長期で休みを取ってのんびりしたければ仕事を入れなければ済むことです。

ただ、これができるのは仕事に困っていないフリーランスのケース。

自分が感じるフリーじゃない要素

あらゆることが自分次第なのがフリーランスと言いましたが、それはつまり、仕事の獲得、顧客開拓も自分次第ということです。引く手数多の状態で生活に困らないレベルまで事業が軌道に乗っていれば問題ないのですが、そうでなければ結構つらい。

会社であれば、従来ある仕事をこなせれば毎月決まった額の給料がもらえるし、病欠しても手当があります。ですがフリーランスはそれが全く無い。うまく仕事を獲得できなければ、仕事したくてもできないという悲惨な状態に。結果バイトなどで凌がないといけなくなる場合もあります。

立ち止まれば収入も止まる。まさに自転車操業なわけです。事業が軌道に乗るまでは、お金や生活の心配がつきず、どうしたもんかと頭を悩ませる日々。気づけば、生活のために本来やりたくて始めた事業とは全く違うことをせざるを得なくなったりもします。

スケジューリングなど物理的にはフリーでも、常に生活の心配がつきない精神的にフリーじゃ無い状態に陥ってしまうことがある。そのことに自分自身、3年間フリーランスとして働いてきて痛感しました。とは言え、今後雇われの身になりたいとは思いません。(一瞬思った時期もありましたがw)

それでもやっぱりフリーランス

確かに雇用状態とは違ったストレスがあって、案外フリーじゃないと感じてしまうフリーランスですが、それでもやっぱり自分の働き方、生き方としてはフリーランスがあっているし、良いと思っています。

自分のやりたいことを自分のやりたいスタイルでやっていく自由度。やはりそれは個人的に重要ですし、自分の力で仕事を得て、その結果お客さんに喜ばれ、それが実際の収入という形で入ってくると働いているなという実感を感じます。

個人で働くこと、組織で働くこと、それぞれ一長一短はありますし、どちらが良い悪いというものではありません。ただ、もはや会社で終身雇用で働くことが当たり前ではなくなった今、フリーランスに限らず多種多様な働き方が社会に広がっています。

そんな社会で自分にあった働き方を見つける、構築していくことが、100年ライフと言われる長い人生を生きていく上で大切なんじゃないかなと思う今日この頃です。まだまだ自分らしい働き方を構築できていないので、これからも試行錯誤しながら地道に頑張っていきたいと思います。

2021年12月18日土曜日

「結婚」について思ったこと。自分にはやはり合わなさそうという話

都内にあるチャペル式の会場

最近、兄弟が結婚した。というわけで結婚式に参列してきました。

これまで、多くはないですが友人などの結婚式にも参列してきましたが、そこで常に感じてきたのは「自分にはあまり関係のないこと」という感覚。個人的に「自由に生きていたい」という願望が強く、「結婚=縛られる」という考え方があるので、どうしても結婚というものをそこまでポジティブに捉えられない節があります。

どちらかというと、結婚式ににかけるお金や労力、時間があるんだったら少しでも多く自分のやりたいことにそれらを割きたい。少しでも多く海外に飛び出したいと思っています。結局、自分の人生において何を優先するかということなんだろうなと思います。

もちろん、結婚しても自分のやりたいことを続けられている人もいるわけで、一概に結婚したら一切身動きがとれなくなるわけではないのですが、相手や家庭の存在を考えるとやはりある程度は妥協する必要性が出てくるはずです。そう考えると、やはり結婚には及び腰になります(それ以前にそれについて検討する相手もいないですがw)。

それに、昔から親族付き合いを煩わしいと感じる人間なので結婚に伴ってそういった事柄が増えてしまうことも結婚をネガティブに考えてしまう要因なのかなとも思います。自分自身かなり個人主義的な自由人気質が強い傾向にあるんだなと改めて再認識。

まあ何はともあれ、結婚した兄弟は末長くお幸せに!ということで。自分自身は一般的な価値基準からははずれまくってますが、自分が納得いく人生を送るのみです。

2021年12月12日日曜日

ブログを再開しました!タイトルを「footprints」に改名

2021年元旦、高尾山の山頂から望む富士山

2018年4月以降、更新を停止していたこちらのブログ「Jordan Journal」ですが、心機一転、また再開することにしました。名前は「footprints」に変更してみました。

2014年10月以降、JICA海外協力隊として中東のヨルダンへ派遣されることが決まってから始めたこのブログ。これまでにヨルダンでの活動や生活、その任期後に参加したAPSプログラムについて後辞めていました。

その後は、写真家となり海外取材に赴いたり、東京を拠点にフリーランスとして仕事や生活を始めました。それらの経験(足跡)についてもこれから少しづつ綴っていこうかと思っています。よろしければまたお付き合いください。

引き続きどうぞよろしくお願いします!