スマートフォン上のアプリは必要最低限 |
最近という前から、自分自身どうも注意散漫でうまく物事に集中して取り組めないなと思っていました。目の前でやっていることとは別のことが気になったり、他のことに目移りしたりと、どうも落ち着かない感じがあります。これは一体どうしたものかと調べてみて、行き着いたのがマルチタスクの弊害。
フリーランスになってから、同時並行的に様々なことをやる機会が増えてしまったことが注意力散漫の原因の一つであることが分かってきました。社会的に、マルチにタスクをこなせるのができる人材、かっこ良いことという風潮がありますが、実はそんなことはなかった。。。
マルチタスクは、続ければ続けるほど脳機能低下させ、精神的ダメージをもたらすと言われています。そこで今回、マルチタスクを解消する方法について紹介したいと思います。
マルチタスクに対する誤解
そもそも多くの人達はマルチタスクという言葉を誤認しているのではないでしょうか。これまで自分自身もそうでしたが、マルチタスクと聞くと、同時に多種多様な物事を処理しているというイメージを抱くと思います。しかし実際は、そんなコンピュータが行う様な高度な処理を行なっているわけではなく、ただひたすら、意識を向ける対象を切り替えまくっている状態の様です。
例えば、パソコンで事務作業をしている時に、メールを受信したので確認し返信文を作成していると、今度は電話の着信がありすかさず応答。その後、途中だったメールの返信に再度取り掛かりつつ、さっきまでやっていた事務作業について考える。
ふとデスク脇のスマホを見るとSNSの通知が。気になり開いて見ると誰々がどこそこに旅行に行ったとか、最近私たち結婚しました的な投稿があり、いいね!をしたり、メッセージを送ったりのやりとり。そしてまた事務作業へと戻る。
こういったことは、生活の中でよくあることだと思います。
しかし、よくよく考えてみると分かるのですが、どのタスクも「同時並行」には処理されていません。短時間に行ったタスクが多いためそう見えますが、その都度、意識を向けるタスクを変更している(させられている)だけです。
なので、マルチタスクというのは厳密には「短時間に超高速で行うシングルタスクの切り替え」と言えます。そもそも人間の脳はコンピュータの様なマルチタスクができる仕様にはなっていません。
マルチタスクは弊害だらけ
先程の話で、なんとなくマルチタスクの弊害が感じられたかと思いますが、厳密にどんな弊害があるかというと、調べた限りでは主に以下になります。- 集中力や短期記憶などの脳機能の低下
マルチタスクは筋トレやスポーツの様に、やればやるほど強くなったりうまくなったりするものではないそうです。むしろ、やればやるほど物事に集中して取り組んだり、記憶したりする機能が落ちてしまうのだとか。
マルチタスクを続けることにより生産性が40%も下がるという報告もあります。意識を向けて集中すべき対象をコロコロ変える(変わる)わけですから、深い集中力を発揮することはできません。
- 外部刺激に対する依存や中毒
マルチタスクでは頻繁に意識を向ける対象が変わります。言い方を変えると、別の刺激に変わるわけです。常に細かい刺激に晒され続け、それが恒常化すると新しい刺激がないと落ち着かない精神状態になります。常に無意識的に何かしらの刺激を求めてしまい、注意が散漫になってしまいます。
- 漠然とした不安感の増大
上記のことが積み重なって、刺激がない状態では落ち着いていられなくなり、理由もなく不安感抱いてしまう精神状態に陥ってしまいます。タバコが切れたヘビースモーカーの状態に近いのではないでしょうか。
SNSはマルチタスクの温床
昔に比べ、現代はあらゆる面でマルチタスク化が進んでいると思います。スマートフォン&SNSがまさにそうです。SNSのタイムライン上にはひっきりなしに新しい情報(刺激)が流れてきて、投稿内容ごとに自分の意識が切り替わります。そして、そんな環境へスマホで手軽にすぐアクセスできます。
さらには、何かやっていても通知やメッセージにより、集中を削がれることも多くなります。自分自身、仕事柄SNSを使うことが多いのですが、正直スマホとSNSのコンビネーションは最悪だと思っています。
これまでも、SNSの運用方法についてはいろいろと頭を悩ませてきました。それについては別記事に書いてあるのでよかったらどうぞ。
マルチタスクからシングルタスクへ
結論、人間の生物的機能を考えると、マルチタスクで複数の物事を行ったり来たりしながらこなすより、ひとつの物事に意識を向けて順を追ってこなしていく、シングルタスクによる処置が理にかなっています。そして、いろいろ調べたり考えた結果、マルチタスク状態からシングルタスク状態に移行する上での肝は、「主体的な意識の切り替え」という結論に至りました。要するに、自分の意思に反して勝手に外部刺激が入ってこない環境を整備すれば良いわけです。
最後に、最近自身が行っているシングルタスク化の工夫について紹介したいと思います。
・スマホ通知オフ(電話以外)
個人的にスマホは好きではないのですが、連絡手段としての必要性と利便性から使用しています。ただ、集中を削がれないために電話以外の全てのアプリの通知は完全にオフにしています。以前は、着信音無しで通知だけ出る様にしていましたがそれもやめました。ただ、撮影の仕事などで出先でお客さんとやり取りする場面もあるので、そういう場合のみ通知をオンにしています。
- アプリの削除/非表示
パソコンで利用可能なアプリに関しては全て削除しています。メールやメッセージアプリ、Googleマップ、乗り換え案内など外出した時に必要になるものだけ残しています。あと、つい開いてしまわない様にホーム画面からは非表示にしています。
- メッセージの確認返信は1日3回
仕事の連絡などもあるので、全くメッセージやSNSを確認しないわけにもいかないので、自分の中で1日3回、特定の時間(朝・昼・夕)に確認返信する様に決めています。正直そこまで急を要する連絡もないですし、1日最低1~2回の確認で事足ります。懸案事項があるのであれば、回数を調整すれば良いだけです。
- チャイムアプリの起動
50分作業して10分休憩するという様な学校では当たり前のルーティンが集中力を維持する上で良いのではと改めて思った今日。特定の時間にチャイムが鳴るアプリを入れました(音はお寺の鐘)。
それにより、定期的に休憩を取ることができるのでバイオリズムが生まれ、長時間の作業で集中力が切れているにも関わらずだらだら作業をしてしまう状態を防げそうです。
たったこれだけのことですが、かなり生産性は上がると思います。自分がやるべきこと、やりたいことに集中して取り組むために、是非試してみてください。