2016年7月17日日曜日

ボランティア活動報告書4号

ヨルダン生活も約一年半経過し、残り任期も半年に差し掛かりました。しかしながら、現在学校が夏休みということもあり次学期が始まるのは8月後半。実質の活動期間はおそらく9~11月の3ヶ月間となりそうです。そういったわけで次学期がラストチャンスになるので、今のところいまいちな活動状況をうまく軌道に乗せなければなりません。なにはともあれ、任期中に提出するボランティア活動報告書の4号の提出時期なので書いてみました。


◆報告書要約

1.活動の進捗状況
活動の方向性を定期的な学校巡回実施に変更したが未だ実施できていない状況で、以前より配属先のルール上の制約や学校への働きかけがうまくいっていないことで活動が不定期である。4月には学校教員向けワークショップを環境隊員の任地であるサルト、ザルカ、アカバで実施し、学校における環境活動や学校巡回の活性化を図った。

2.課題解決に向けた取り組み・進捗・結果
定期的な学校巡回実施の為、学校長への直接的な働きかけやJICAナショナルスタッフ仲介で配属先への交渉を行なった。現在学校が夏休みということもあり状況を改善できていない。次学期開始前に再度学校と配属先への働きかけをする予定。

3.活動事例の紹介 成功例・失敗例
・定期的なアンマン市内におけるゴミ拾いイベント
・最終処分場に関する動画を取り入れた授業
・リサイクル工作とゴミ分解年数クイズを組み合わせた授業
・学校教員向け環境ワークショップ

4.受入国の人々の変化(活動のインパクト)
・過去の学校巡回先におけるリサイクル工作の取り組みに対する変化
・定期的にアンマンで実施しているゴミ拾いイベントへの参加者の定期的な参加と主体性の向上

5.その他特記事項
ラマダン中における受入国の生活習慣



項目1.活動の進捗状況

活動は主に、配属先が管轄する地域の学校を巡回し環境教育に関する授業やその知識・アイディアを提供することと、環境活動や啓発を目的とした環境イベント実施の2点である。

【学校巡回の進捗状況】
広く浅い学校巡回の実施から、特定の学校への定期的な学校巡回に移行することに方向性を変えたが、いまだ実施できていない状況である。以前より配属先のルール上、学校から環境教育の要請書が届いて初めて巡回に行けるという状況の為、活動が不定期になりがちである。授業内容は以前と同様、ゴミを中心テーマに置いたゴミ処理問題やリサイクル工作といった内容である。現在、次学期での定期的な学校巡回に繋げる為、配属先と学校への働きかけを行なっている(項目2参照)

【イベント実施状況】
4月に教員向けワークショップを昨年と同様に実施した。実施地域は環境隊員が配属されているサルト、ザルカ、アカバである。今年は昨年と手法を変え参加型のワークショップとし、教員に環境教育の楽しさを伝え、各地域の学校における環境活動と隊員の学校巡回の促進を目的に実施した。結果、今のところ目に見える効果は得られていない状況である。



項目2.課題解決に向けた取り組み・進捗・結果

【課題】
活動における最大の課題は定期的な学校巡回先の確保である。以前は全校巡回をすることを目標にしており、広く浅い学校巡回を実施していた。その結果、現在も定期巡回先の確保に至っていない。また学校巡回をする上で学校側より正式な要請書が無ければ訪問が許可されない配属先のルールも活動をする上で足枷となっている。

【取り組み・進捗・結果】
上記課題を解決する為の取り組みとして行なったことは以下2点である。
1、配属先を介さず直接的に巡回希望先の学校長に連絡を取り巡回要請書の発行を要請する
2、JICAナショナルスタッフに仲介で配属先スタッフに自身の要望を具体的に伝えて定期的に学校巡回に行けるように促す。

上記の取り組みを実施したが、結果としてまだ課題は解決していない状況である。というのも現在、学校が夏季休暇中で実質的には活動が無い期間であり、学校や教育局共にさらなる働きかけが難しい状況にある。

その為、この期間に次学期に向けた具体的な授業案を作成し、それを元に次学期が始まる前の8月中旬に配属先と協議の上、希望の巡回校に定期巡回の提案を行い、配属先のルールに則った巡回要請書の記載を学校長に要請する予定である。



◆項目3.活動事例の紹介 成功例・失敗例

【活動事例】
・二ヶ月に一度のアンマン市内におけるゴミ拾いイベント
・最終処分場に関する動画を取り入れた講義型授業
・リサイクル工作とゴミ分解年数クイズを組み合わせた参加型授業
・学校教員向け環境ワークショップ(サルト・ザルカ・アカバ)

【成功例】
・日本人とヨルダン人の交流の場としてのゴミ拾いイベント
定期的にアンマン市内で開催しているゴミ拾いイベント。コンセプトとしてゴミ拾いを通して日本人とヨルダン人との交流の機会とし、イベント後に参加者で一緒に食事に行く場を設けている。そのことが日本に関心があるヨルダン人の定期的な参加及び、環境意識の向上に貢献している。今後の課題としては、いかに新規の参加者を増やすかである。

【失敗例】
・生徒に対する授業内容のレベル設定ミス
小学校3年生以下の低学年生徒を対象に講義型授業(3Rやゴミ処理に関する)を実施したが、学生の理解力に対して授業内容が適したものではなく、生徒の興味を引き理解を深められなかった。またリサイクル工作に関しても低学年だと作品を完成させること事態が技術的に困難な場合もあり、ほぼ自分や先生が作成するかデモンストレーションとして見せるだけに留まり、参加型の授業にならないといった失敗があった。学生の知的レベルに適した手法を取り入れる必要がある。



◆項目4.受入国の人々の変化(活動のインパクト)

自身が感じる活動を通しての変化については以下2点が上げられる。

1、過去に巡回した学校を再度訪問した際に、以前授業で実施したリサイクル工作を独自に実施して展示するなど、伝えた技術を自分達でアレンジし生かしてくれている学校がいくつかあった。

2、二ヶ月に一度、定期的に実施しているアンマン市内におけるゴミ拾いイベントにおいて、毎回参加してくれる参加者を得ることができ、またその中でも特定の参加者がゴミ拾いイベントの為に名札を作成してくれるなど、イベントをより良くしようと自主的な取り組みを行なってくれるようになった。



◆項目5.その他特記事項

【受入国の生活習慣】
現在ラマダン中であり特に思うことだが、多くのイスラム教徒は日中断食をしており、日中は多くのお店が閉まり政府機関の営業時間も短縮になるなど社会活動が停滞ぎみになる。そして日没後にようやく飲食をして活動が始まる為、普段に増して夜型の生活習慣の人々が多くなる。自身の居住地域でも毎日の様に夜遅くに子どもが外で遊ぶ声がし、親族を招いたり訪ねて行ったりと人の往来も多い。