イスラムを理解するうえで非常に重要となるのが六信五行です。ヨルダンでの生活も10ヶ月近く経ちました。そして日々の生活の中で当然のことながら様々なムスリム(イスラム教徒)と接するわけですが、改めて思うのはこの六信五行への理解の大切さです。
これらをある程度理解していないと、知らず知らずにムスリムの人たちに失礼な言動をとって不愉快な思いをさせてしまいかねません。そこで自身の再認識の為、これからムスリムと接する機会のある人たちの参考に六信五行について書いてみました。
【六信】イスラム教徒が信仰するべき6つのこと
①アッラー(唯一神)
この世に存在する全てを想像したとされる全知全能の唯一絶対神。絵や偶像などとして表現することができない存在とされている為、偶像崇拝が禁止されている。ムスリムの人たちと宗教の話になると日本が多神教の仏教であることからそのことについて追求を受けることが多々ある。
なかなか話が長くなったりしつこく聞かれることが多いので自分なりにうまくかわす方法を編み出したほうが良い。なによりイスラムの考えを尊重することが大切。
②マラーイカ(天使)
なかなか話が長くなったりしつこく聞かれることが多いので自分なりにうまくかわす方法を編み出したほうが良い。なによりイスラムの考えを尊重することが大切。
②マラーイカ(天使)
アッラーが創造した神と人間との仲介役のこと。かつてムハンマドはこのマラーイカを介して神の言葉を受け取ったとされている。ムスリムと宗教の話になった時にこのマラーイカについての言及は少ない印象。
③キターブ(神の啓示、啓典)
③キターブ(神の啓示、啓典)
ムハンマドが受け取ったとされるアッラーの言葉が記された啓典クルアーン(コーラン)。ムハンマドの死後にまとめられ114章からなり、ムスリムの日常生活における規律についてこと細かく記されている。当然のことながらムスリムにとって大切な本なので雑な扱いはご法度である。神聖月のラマダン中には職場で毎日のようにクルアーンを読む姿を目にした。
④ラスール(神の使徒、預言者)
④ラスール(神の使徒、預言者)
預言者ムハンマドのこと。アラビア半島のメッカで生まれ、晩年マラーイカを介してアラーより啓示を受けたとされる。ちなみにムハンマドという名前はイスラム社会において一般的な名前の為、交友関係に複数のムハンマドがいると誰が誰だか分からなくなることがある。
⑤アーヒラ(来世)
⑤アーヒラ(来世)
世界の終末後にある復活のこと。世界が終焉を迎え全てが無に還った後、永遠の存在である神によって全てのものが復活させられ、その後天国や地獄へと振り分けられるとされている。
前世でイスラムにおける善を行ったものがその復活の日から始まる永遠の時に天国に行けるとされ、ムスリムの人々は日々六信五行に努める。それをせず地獄に行くのが可哀想だと改宗を勧められることもしばしば。
⑥カダル(天命)
前世でイスラムにおける善を行ったものがその復活の日から始まる永遠の時に天国に行けるとされ、ムスリムの人々は日々六信五行に努める。それをせず地獄に行くのが可哀想だと改宗を勧められることもしばしば。
⑥カダル(天命)
万物の事象全ては神によって定められていると信じること。アッラーは全てを創造し、望むことは起き、望まないことは起きず、過去も未来も全て知っていて記録しているとされている。また人々はそれを信じると共に神から与えられた自由意志で善悪を判断する責任があるとされている。
①シャハーダ(信仰告白)
【五行】イスラム教徒に課せられる5つの義務
①シャハーダ(信仰告白)
「アッラー以外に神は無し、ムハンマドはアッラーの使徒である。」とアラビア語で唱えることで自身がムスリムであることを明確に宣言すること。他のムスリムや宗教指導者など証言者の前で宣言を行なうことでムスリムになる。イスラム社会で生活していると時々この文句を言わせようとしてくるムスリムがいるので注意。
②サラー(礼拝)
②サラー(礼拝)
一日5回メッカの方向に向いて行なう礼拝のこと。礼拝の時間になるとそれを知らせる呼びかけであるアザーンが各地のモスクから流れる。それにあわせてムスリムは礼拝を行なう。その姿をモスクや職場、歩道など様々な場所で目にする機会が多い。
おもむろにお祈りを始める人が多く、その場に居合わせたときは静かに待つなり席をはずすなりの配慮が必要。一回の礼拝は5~10分程度で主に礼拝用絨毯の上で行なわれる。金曜には週に一回の集団礼拝がモスクで行なわれる。
③ザカート(喜捨)
おもむろにお祈りを始める人が多く、その場に居合わせたときは静かに待つなり席をはずすなりの配慮が必要。一回の礼拝は5~10分程度で主に礼拝用絨毯の上で行なわれる。金曜には週に一回の集団礼拝がモスクで行なわれる。
③ザカート(喜捨)
貧しい人に施す義務的な喜捨こと。財産などに一定の割合課せられる税金のようなもので、用途としては主に社会福祉に使われているそう。ちなみに個人が自由に行なう喜捨はサダカと言い、よく街中で托鉢を求めている人に小額手渡すのはその一種。
ザカートやサダカを行なうことでムスリムは徳を積むことができるとされる。街中を歩いていると主に子どもや女性に托鉢を求められることがあると思うが渡すが渡さないかは自己の判断で。
④サウム(断食)
ザカートやサダカを行なうことでムスリムは徳を積むことができるとされる。街中を歩いていると主に子どもや女性に托鉢を求められることがあると思うが渡すが渡さないかは自己の判断で。
④サウム(断食)
イスラムの神聖月であるラマダン中毎日、日の出から日の入りまで飲食を一切絶つこと。その理由として貧しい人々の空腹の苦しみを共感すること、自身の欲求をコントロールする忍耐力を身につけることなどがある。ラマダン中はムスリムでない人は人目のつくところで飲食をしないようにする配慮が必要。
ちなみに日没後に食べる食事であるイフタールの前にタメル(乾燥ナツメヤシ)と水もしくはシャニーネ(飲むヨーグルトのようなもの)を摂るのが慣わしのようで、日没後には街中でボランティアの人がでタメルと水を道行く人に配っているのを見かける。イフタール中は皆一斉に食事をしているため街中が静まり返る。
⑤ハッジ(巡礼)
ちなみに日没後に食べる食事であるイフタールの前にタメル(乾燥ナツメヤシ)と水もしくはシャニーネ(飲むヨーグルトのようなもの)を摂るのが慣わしのようで、日没後には街中でボランティアの人がでタメルと水を道行く人に配っているのを見かける。イフタール中は皆一斉に食事をしているため街中が静まり返る。
⑤ハッジ(巡礼)
サウジアラビアのメッカにあるカーバ神殿に巡礼すること。経済的、身体的に可能であれば行くというもので完全な義務ではないようだが、いつか巡礼に行きたいと望むムスリムは多い。
礼拝の時には皆同じ伝統衣装を身につけているが、これは神の前では皆平等ということを象徴している。ちなみに巡礼に行ったムスリムはザムザムというメッカの水源から湧き出る聖なる水を飲み持ち帰る。また自宅の外観に装飾が施される。
礼拝の時には皆同じ伝統衣装を身につけているが、これは神の前では皆平等ということを象徴している。ちなみに巡礼に行ったムスリムはザムザムというメッカの水源から湧き出る聖なる水を飲み持ち帰る。また自宅の外観に装飾が施される。